ベテランでもミスをする。“中綴じ=面付け”の思い込みが招いた悲劇とは?

印刷の現場から
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ゆい
ゆい

ユトさん、この前コミケ前に、中綴じの面付の話をしてくれたじゃないですか?

ゆと
ゆと

うん、したね

ゆい
ゆい

中綴じで入稿時に、やらかしちゃった……みたいな話って、あったりするんですか?

ゆと
ゆと

……あるよ。私じゃなくて、当時の副店長がやらかしたんだけどね

ゆい
ゆい

……えっ、副店長が!?

ゆと
ゆと

うん。それならちょっとその時の事を話してみようか……。

◆A4横綴じ、中綴じの落とし穴

仕上がりがA4横という、やや特殊な中綴じ案件。

私の職場(オンデマンド印刷)では、展開サイズがA3を超えると、印刷機に通せないことが多く、対応が難しくなります。
というのも、用紙の在庫がなく、そもそも機械の物理的制限で用紙が通らないためです。
(※正確には、A3程度のフチなし仕上げや製本の表紙の作成の為に、320mm×450mm程度まで)

そのため、基本的にこの手の案件は「対応できない」とお伝えしています。

……が、このときは、協力会社を使って対応することになったんです。
使い慣れている協力会社。いつも通り入稿用データを整え送ることに。

この時点で少しでも嫌な予感がしていればよかったのに、と思うんですけどね……。

◆納品後に青ざめる:バラバラなページの真相

納品から数日後、営業が慌てた様子でスマホを片手に駆け込んできました。

「納品した●●様の案件なんだけど、ページ順がめちゃくちゃって言われたんだけど……!」

……えっ?
正直、意味が分かりませんでした。乱丁? 印刷ミス?

とにかく状況が掴めず、慌てて送られてきた写真を確認しても──ノンブルもない英語パンフレットで、どこがおかしいのかすらよく分からなかったのです。

ただ、その時ふと頭をよぎったのが「外注入稿用のデータって、どうなってたっけ?」ということ。

◆原因は“いつも通り”の思い込み:面付けの罠

実は、外注入稿の直前、データの一部修正を私が担当しました。
時間が遅かったので、チェックと外注への入稿は副店長にお願いしたんです。

入稿用は「見開きで作成済み」だったので、問題が無ければそのデータを入稿するだけのはずでした。

慌てて、外注に送ったデータを確認して、私は思わず声が漏れました。

「……なんでこれ、面付けされてるんですか?」

副店長は、いつも通りの感覚で「中綴じ=面付け」と判断してしまったんです。

◆印刷会社によっては、「面付け=ミス」の引き金になる

外注先の協力会社は、Web入稿システムで、ちゃんと書いてあります。

単面または見開きの状態でご入稿ください

つまり、こちらが勝手に面付けしたら、順番がぐちゃぐちゃになる可能性があるわけです。

社内だったらいつも面付けしてるし、中綴じ=面付け済みが当たり前。
でも外注は違う。むしろ面付けしてない前提で、入稿することがほとんどです。

副店長にとっては「気を利かせたつもり」だったのかもしれません。
でもその“いつもの感覚”が、やらかしの元になるんですよね……。

◆まとめ:中綴じの面付け、やる前に一呼吸を

中綴じ=面付けが必要、とは限りません。

入稿時はその印刷会社の「入稿仕様」をしっかり確認すること。

特にA4横や特殊サイズでは、普段の感覚が通用しないこともあります。

副店長でさえやらかすなら、私たちがミスしてもおかしくはない。
だからこそ、仕様の確認を怠らないことが大切なのだと思います。




ゆい
ゆい

印刷会社によって面付けしちゃダメなんですね……怖い……

ゆと
ゆと

確認さえすれば大丈夫。だから今のうちに“怖い”って思ってくれる方が、私は嬉しいよ

コメント

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